AI Trends

2026年11月号:中小企業が知っておきたいAIの最新動向

「AI最新動向」第4回です。今月は、AIの利用料金に起きている変化、補助金の次の締切、10月に公開された「自社で動かせる」AIモデルの話題をお届けします。いつもどおり、「中小企業がこの情報をどう活かせるか」の視点でまとめました。なお、AIの世界は変化が速いため、料金や日程は、ご利用の前に各社・公式サイトで最新の情報をご確認ください。

1. AIの料金は「安くなる」だけではなくなってきました

Business Insider Japanが2026年10月18日に掲載した「生成AI主要8サービス料金早見表」によると、個人向けの基本料金(ChatGPT Plusは月3,000円、Google AI Proは月2,900円、Claude Proは月20ドルなど)は、前回から変わっていません。一方で、その周辺では見直しが続いています。

  • ChatGPTでは、最上位の「Pro 500」(月84,000円)が9月29日付で新設され、Proが3段階になりました。
  • 同じくChatGPTの「Pro 200」は月額30,000円のままですが、新規契約の利用枠は従来より縮小されたと伝えられています。
  • Googleの「Gemini 3.8 Flash」は、2026年12月31日までの導入価格が、2027年1月1日から約2倍に改定される予定です。
  • 反対に、Anthropicの「Claude Haiku 5.5」(10月7日発表)は、旧モデルと比べて平均約75%のコスト削減とされています。

ここで大切なのは、「月額いくら」だけでなく、「どこまで使えるか(利用枠)」と「いつ料金が変わるか」まで確認することです。たとえば、業務の自動化に組み込んだAIの料金が、導入価格の終了で年明けに倍になると、予算の見込みが狂ってしまいます。契約や導入の前に、導入価格の終了日と、利用上限の条件を確認しておくことをおすすめします。先月までにお伝えした「特定のサービスに固定で縛られない形にしておく」という考え方は、ここでも役に立ちます。

2. Googleの「Gem」が「Skill」に置き換わります

同じ記事によると、Googleは9月29日に、Geminiで自分専用のAIを作る機能「Gem」を「Skill」に置き換えると発表しました。2026年11月から順次移行するとのことです。

社内でGemを作って、複数の人で使っている場合は、移行の案内が届いていないかを確認してください。まずは「誰が、どの業務で、どのGemを使っているか」を洗い出しておくだけでも、切り替え時の混乱を減らせます。AIサービスの機能名や仕様は、数か月単位で変わることを前提に、業務の手順書には「使っているサービスと機能の名前」を書き添えておくと安心です。

3. デジタル化・AI導入補助金:次の締切は12月1日です

「デジタル化・AI導入補助金2026」は、6次締切(10月30日)が終わり、補助金ポータルの日程表では、次の7次締切が2026年12月1日(火)17:00、交付決定は2027年1月19日(火)の予定とされています。日程は予定で、変更される可能性があります。

気をつけたいのは、「申請すれば通る」わけではない点です。創業手帳の解説記事によると、2次締切分の結果は、通常枠が申請1,879者に対して採択819者(約44%)、インボイス枠が申請3,790者に対して採択2,096者(約55%)でした。つまり、申請しても、採択されないことが半数前後あります。申請書の準備や、申請に必要な事前の登録などにも時間がかかるため、検討中の場合は、締切の直前ではなく、早めに情報収集と準備を始めるのが安全です。

どの枠が自社に合うか、導入したいシステムが対象になるかは、事業者ごとに異なります。公式サイトの公募要領で、最新の条件をご確認ください。

4. 「自社で動かせるAI」の公開が相次ぎました

10月は、Googleの新モデル「Gemini 4 Argon」の一般提供(10月中旬)に加え、利用条件の緩いライセンスで公開される「オープンなモデル」の発表が目立ちました。AI公式発表をまとめた記事では、Metaの「Muse Spark Open」(MITライセンス)、Reflection AIの「Beam」(Apache 2.0)、DeepSeekの「V4.1-Flash-1017」(MITライセンス)などが、10月中旬の1週間に相次いで紹介されています。

こうしたモデルは、自社のサーバーなどで動かせるため、社内の大事なデータを外部のサービスに送らずにAIを使える可能性があります。ただし、動かすための計算機の用意、更新作業、セキュリティの管理は、自社で担う必要があります。従業員数の少ない会社では、まずは信頼できるクラウドのサービスを使い、「入力してよい情報・いけない情報」の社内ルールを決めるところから始めるほうが、現実的な場合が多いと思います。「自社で動かす」ことを検討する場合は、運用の手間まで含めて見積もることが大切です。

まとめ:AIも、ホームページも、「更新し続ける」ことが大切です

今月の話題に共通するのは、一度導入して終わりではなく、料金・仕様・制度の変化に合わせて見直し続けることの大切さです。

これはAIに限りません。10月21日には、ホームページや業務システムに広く使われているプログラム言語「PHP」の脆弱性が公表され、JPCERT/CCが注意喚起を出しました。サポートが終わった古いバージョンのまま動いているサイトやシステムは、更新が必要になります。AIを活用する土台となる、日々のシステムの保守も、あわせて見直してみてはいかがでしょうか。

当社では、システムの保守・運用に加えて、PHPのバージョンアップ・脆弱性への対応も承っています。AIの活用についても、まずはお気軽にご相談ください。

参考

  • ※Business Insider Japan「【2026年10月版】生成AI主要8サービス料金早見表」(2026年10月18日掲載。料金・利用枠・API価格・Gemの変更について。1ドル=160円換算の記載あり)
  • ※補助金ポータル「デジタル化・AI導入補助金 公募スケジュール」(7次締切・交付決定の日程。日程は予定のため、公式サイトで要確認)
  • ※創業手帳「デジタル化・AI導入補助金」の解説記事(2次締切分の申請数・採択数)
  • ※生成AIニュースまとめ「2026年10月12日〜10月18日のAI公式発表」(各社の公式発表を整理した記事。日付などは公式発表で要確認)
  • ※JPCERT/CCの注意喚起(2026年10月22日)に関する報道(@IT、2026年10月23日付)

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